厚生労働省より、H27年度ハローワークにおける求人票の記載内容と実際の労働条件の相違に係る申出や苦情等の件数が公表されました。
平成27年度は10,937件であり、前年度と比べると1,315件減少(前年度12,252件)となりました
内容 | H27年度 件数 |
H27年度 割合 |
H26年度 件数 |
H26年度 割合 |
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賃金に関すること | 2,654件 | 24% | 3,361件 | 27% |
就業時間に関すること | 2,128件 | 19% | 2,699件 | 22% |
職種・仕事の内容に関すること | 1,439件 | 13% | 1,715件 | 14% |
選考方法・応募書類に関すること | 1,315件 | 12% | 1,502件 | 12% |
休日に関すること | 1,008件 | 9% | 1,256件 | 10% |
雇用形態に関すること | 799件 | 7% | 1,068件 | 9% |
社会保険・労働保険に関すること | 767件 | 7% | 1,030件 | 8% |
前年度と比べると、幾分減少しておりますが、求人票と実際の内容が異なることや、企業側が求人申し込み者に対して十分な説明をしていない等が申出・苦情等が発生する原因の過半数を占めております。
それに対するハローワークの対応として、
1.求人票の内容を変更するよう指導(1.293件)
2.求人票に合わせて労働条件を変更するよう指導(709件)
3.求人取り消し(516件)
4.職業紹介の一時保留(274件)
といったことが行われます。
さらに、上記指導を受けても改めないような、いわゆる「ブラック企業」に対しては、求職者が現れても、逆にハローワーク職員から、そのような企業への求職はしない方が良いなどのアドバイスがある場合もあるため、ハローワークへ求人を申し込む際は、企業の実態を正確に記載する必要があります。
また、今後ますます就業規則の整備は不可欠なものになります。求人票掲載の申し込みをする際に、ハローワーク職員から「就業規則はありますか?」などの質問を受けるケースもあります。就業規則の整備は、会社のルールブックであると同時に、これからそこで働きたいと応募する求職者にとっても、「安心して応募できる企業」と感じ取れる材料になっているのではないでしょうか?(もちろん、就業規則の内容と実態の運用が異なっていてはなりませんが)。
人材不足が深刻化し、より良いの人材を確保するためにも、コンプライアンスの遵守がますます重要になるものと思われます。
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