外部の研修に参加した場合の労働時間について

外部研修と労働時間の関係

 一般企業に比べて医療や福祉機関の職員が外部研修に参加する頻度は高く、その際の労働時間の取り扱いを巡ってトラブルになるケースが多く存在します。

1.労働時間とは、使用者の指揮命令下に置かれた時間 

これは、過去の労働裁判「三菱重工業長崎造船事件(最高裁一小判・平12.3.9)が参考となります。

「労働基準法上の労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、右の労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるもの」としており、客観的に使用者の指揮命令下に置かれていると判断できるか否かで労働時間かどうか判断します。

 


2.使用者からの業務命令による研修は労働時間 

1で述べた通り、使用者からの業務命令による研修参加であれば、その研修時間は労働時間となり、賃金が発生することとなります。

行政通達(「訪問介護労働者の法定労働条件の確保について」平成16年8月27日・基発第0827001号)においても、「研修時間については、使用者の明示的な指示に基づいて行われる場合は、労働時間である」と示しております。

 

3.任意参加なら全て労働時間にならないのか?

任意による参加であれば、労働時間にはなりませんが、以下のいずれかに該当する場合には、暗黙の指示を受けたということで、労働時間と考えなけれならず、注意が必要です。

 

①.研修を受講しないことに対する就業規則や社内規程上の制裁など不利益取り扱いになる定めがある場合

②.研修内容と業務の関連性が強く、それに参加しないと、本人の具体的業務に支障が生じるなど、実質的に使用者から出席の強制があると認められる場合 ということで、職場に明示的あるいは暗黙のルールが存在する場合は、客観的に労働時間と判断される可能性が高くなります。

 

4.移動時間は労働時間か?

過去の労働裁判「横河電機事件(東京地判・平6.9.27)では、「出張中の移動時間は、労働高速の程度が低く、これが実勤務時間に当たると解することは困難である」と示しております。しかし、実際は、医療機関や福祉施設の多くは、近隣の場所で研修に参加するケースが多く、また業務時間中に参加することも少なくないため、移動の時間についても通常の労働時間として扱っているケースが断然多いです。

この場合は労基法第38条の2「労働者が労働時間の全部または一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難い時は、所定労働時間労働したものとみなす(事業場外労働のみなし労働時間制)」が適用されます。

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